こんにちは、ananasです。
毎日夕方になると集落の路地を歩いて、息子を幼稚園に迎えに行きます。
いつもは、その日の出来事をあれやこれやと話してくれる息子に相槌を打ちながら、まっすぐ家に向かうのですが、
雨降りが続いた後の数日は二人でちょっとした宝探しを楽しみながら帰ります。
お目当ては、これ。
オオタニワタリという植物の新芽。
知る人ぞ知る、八重山ならではのとっても美味しい食材なのです。
オオタニワタリって?
オオタニワタリは熱帯地域に繁殖するシダ植物の一種で、木や石垣の上に着生します。
放射状に細長い葉を広げる特徴的な姿をしています。
新芽は、大きく放射線状に成長した葉っぱの中心部分から芽吹いてきます。
季節というのがあるわけではなく、雨が降るとにょきにょき出てくるもののような気が、個人的にはしています。
たくさん雨が降ったら数日待って、そろそろかなという日、
集落の石垣に着生したオオタニワタリのひらひらとした葉っぱをかき分けて中をそっと覗きます。
そこに新芽を見つけたら…大当たり!
先端に近い部分をポキっと摘んで、食べる分だけいただいて、潰さないよう大事に持ち帰ります。
どうやって食べる?
この見た目のせいか、八重山の一部では“ゼンマイ”とも呼ばれているオオタニワタリの新芽ですが、本当のゼンマイとは違ってアクもなく、洗えばそのまますぐに調理できます。
さっとバターで炒めて、艶やかな黄緑色を愛でながら、シャキっとした歯ごたえを楽しんだり、天ぷらにして塩でシンプルに味わうのもオススメです。
自然とつながる島暮らし
私の暮らす集落は、一番近いスーパーやコンビニまで行くのにも車で数十分かかるような場所で、足りない食材があっても気軽に買い足しに行くことはできません。
でも足元を見ると、オオタニワタリのように食卓の彩りを助けてくれる野草があふれています。
自然とつながるように暮らしていた島の人々は昔から、畑で食用に栽培する野菜だけではなく、路傍の野草ひとつひとつに対しても、食材になるものや薬効があるものなど、深く理解して暮らしに利用してきたそうです。
そんな知恵を少しずつ、息子と一緒に楽しみながら学び、目の前にある自然をいただけるというのは、ここでの暮らしの醍醐味でもあります。
まとめ
いかがでしたか?
オオタニワタリは、島の産直市場でも販売されていたり、居酒屋さんでも提供されている人気の野草です。
興味のある方は是非食べてみてくださいね。