こんにちは。石垣島在住の小石です。初めて目にする沖縄の苗字で、読み方を間違えてしまうことありませんか? 沖縄にはどう読んだらいいかわからない名前が多いなーと思っていましたが、よく考えると、どこの地域でも難しい土地固有の苗字はいっぱいありますよね。ですね。その土地に歴史と文化ありですね。
せめて、石垣島に多くある名前ぐらいは、間違えずに読めるようになりたいと調べてみました。
1 石垣島に多い苗字
2000年(平成12年)の国勢調査によると、石垣市に多い苗字のランキングの1位から10位は、
宮良、金城、砂川、石垣、大浜、平良、下地、玉城、上原、上地
でした。
どうですか? 全て読めますか? いろんな読み方のできる苗字は、どう読んだらいいか悩んでしまいますよね。
1位は「みやら」、
2位は「きんじょう」「かねしろ」「かなしろ」「かなぐすく」と多くのの読み方があります。この名前の読み方については後で説明しています。
3位は「すながわ」、
4位は「いしがき」、
5位は「おおはま」、
6位は「たいら」、
7位は「しもじ」、
8位は「たましろ」「たまぐすく」、「たまき」と読めますが、石垣では「たましろ」さんが多いようです。
9位は「うえはら」、
10位は「うえち」「うえじ」「かみじ」です。「うえち」さんが主流です。
2 苗字の由来
「宮良」、「石垣」、「大浜」は、石垣市の地名にちなんだ名前です。
「宮良」は、圧倒的に石垣市で1位をキープしている名前で、1935年の国勢調査でも1位でした。
「金城」は沖縄県でもとっても多い名前で、「比嘉」に次いで2番目に多い名前です。読み方がいろいろあって難しい名前の代表格ですよね。
「砂川」「下地」は、宮古島に多い名前です。宮古島から石垣島に移住してきた人が多いことの証です。
「平良」は、那覇市と豊見城市と宮古島市の地名にあり、沖縄県全体ではベスト10に入るほど多い名前です。
3 読み方の難しい名前
「安里」は「あさと」と読み、「あんざと」「やすざと」と読むことは少ないようです。
八重山民謡の「安里屋ユンタ(あさとやゆんた)」が有名なので、「沖縄なら“あさと”」と一発で読める人も多いのかもしれません。
「新里」も読み方に悩みます。「しんざと」と読むのが主流ですが、「にいざと」とも読め、濁音をつけるかつけないかで、読み方も変わってきます。
「川満」は「かわみつ」、「米盛」は「よねもり」と読みます。知り合いにいれば覚えてしまえそうな読み方ですが、初めて読む時には悩みそうです。
「桃原」は「「ももはら」「とうはる」とも読めますが、「とうばる」が主流です。
「慶田盛」は「けだもり」と読みますが、「けたもり」と濁音なしで発音しないように注意してください。
「洲鎌」を「すがま」、「喜友名」を「きゆな」と、即答できる方は沖縄に詳しい人ではないでしょうか。
「饒平名」を「よへな」、「喜舎場」を「きしゃば」と、読めたら立派な沖縄通です。
石垣島より沖縄本島に多い名前ですが、「外間」を「ほかま」、「平安名」を「へんな」と、知識なく読むのは難しいです。
4 八重山の名前の歴史
1642年に江戸幕府より、沖縄の名前に注文がついた歴史があります。
② 日本本土との区別を目的とする
③ 二文字より三文字にすること
このような注文が付けられたそうです。そのため、「前田」は「真栄田」に変えさせられたとのこと。
その後、明治政府になり、1875年には、「平民苗字必称義務令」が明治政府より発令され、姓を名乗ることを義務付けらました
明治中期ごろから、当初は沖縄方言の読み方であった名前が、日本語の読み方に「読み替え」が進められていきます。
代表的な名前では、「金城」があります。「かなぐすく」から「かねしろ」へと読み替えられることが増え、ついには「きんじょう」という音読みにまで普及していきました。
4 まとめ
石垣市は移住者が多い島でもあります。そのため、本州由来の「鈴木」の姓も多くなってきているとのこと。名前は場所の歴史と深く関係しているものです。いつの日か「宮良」の不動の1位が崩れることがあるのでしょうか。島で長く続いてきた精神と生活は、急変させることなく、このまま受け継いでいきたいですよね。