11月15日からまちなか交流館ゆんたく家の1階で展示されているYaima Arts&Films。
商店会を歩いている時に偶然みかけたメッセージ性のあるポートレート。
タイトルも何もないこのシンプルなアピールは、2020年から2021年にかけてのコロナ禍を体験したことが
ある人なら、静かな共感を抱かれるのではないでしょうか。
この時期の心のあり方は、誰もが心に問われましたし、その中で変わらない人もいれば激変したと言う人もいます。
イベントの中止やスティホームがあった中で、改めてこうしたアートを通して表現する力はとても大きい価値があると感じました。
そして地元高校生のコロナ禍の自身の心のあり方を語る言葉はとても印象的です。おひとりおひとりのポートレートがとても素敵でした。
ここではYaima Arts&Filmsのフリーカメラマン・水野暁子さんの「南のひと・TRANSITION」を通して
被写体となった地元高校生の写真とメッセージをご紹介させていただきます。水野さんのプロフと添え書きに、
展示では彼らの言葉をランダムに集めてあり、鑑賞側の読み手の内面と重ね合わせられることが書いてあり、
感じ方へのアプローチもアートのひとつなのだと感じました。
【メッセージ】
「中学生の頃思っていた高校生像がコロナで崩れた。これまでの2年近くを思うと『くやしい』思いがあって、でもどうしようもできない」
「高3の時にコロナが流行って、当たり前の生活が急に当たり前じゃなくなることを学生のうちに経験することができたので、どんな時代にも対応できる力を身につけて、自分らしくキラキラ生きていけたらいいなと思います。」
「今しかない貴重な時間を奪われてしまったとは感じたものの、私は自分の将来をじっくり考えることができた。自分の人生を楽しくするのは全て自分次第だなと感じた。」
「英語が好きな私はアルバイト中に英語で注文を取ることがひそかな楽しみでした。それが出来なくなり1年前はひたすら洋画を見て英語に触れていました。コロナ禍で行動は規制されていますがその中で少しでも娯楽を見つけることが貴重だと気づきました。」
「家族と過ごす時間や自分と向き合う時間が増えてやるべきことが見つかった。新たな挑戦ができて良かった。」
「マスクを外したい。もうコロナ前とまったく同じ生活には戻らないけど、それを嘆くんじゃなくて、これからのやり方で前向きに進んでいきたい。」
ゆんたく家のスペースで、高校生の存在そのものにアートという表現を感じたことが私にはとても新鮮でした。
これからは「何者かになる」ということよりも「自分自身であること」が何より魅力になるだと感じさせてくれたイベントです。
【水野暁子さんプロフィール】
1996年 School of Visual Arts 卒業 フリーランス写真家として活動開始
1999年に竹富島に移住
月刊誌やいまにポートレートシリーズ「南のひと」を連載中
メディア・コミュニティSQUAにフォトエッセイ「八重山、光りと風の栞りをはさんで」を連載中
八重山文化と消えゆく記憶を未来へつなげる映像プロジェクト「八重山ライブラリー」を継続
「南のひと・TRANSITION」展示期間 2021年11月15日~2021年11月30日
まちなか交流館 ゆんたく家
住所 石垣市大川203
電話 0980-84-3477
HP http://yuntakuya.ti-da.net/
「ゆんたく家で開催中のYaima Arts&Filmsのアートスペース」はいかがでしたか?
ぜひ、機会がありましたらお立ち寄りください。