こんにちは。石垣島在住の小石です。今回は石垣島産のツルムラサキを紹介したいと思います。私は石垣島に引っ越してくるまで、ツルムラサキという野菜を知りませんでした。
沖縄では「じゅびん」や「しびん」と呼ばれ、島の市場では一年中見られる野菜です。緑色の葉っぱに紫色の茎で、ホウレン草に見た目は似ています。今回はそんなツルムラサキをご紹介します。
1 ツルムラサキってどんな野菜なの?
ツルムラサキ科のツルムラサキ属の多年草です。東南アジアが原産と言われています。
高温多湿の気候に適した野菜で、沖縄で多く栽培されています。
しかし調べてみると、2018年の収穫量は福島県が451tでトップ、続いて宮城県190t、徳島県130と続いていました。
私が大阪のスーパーで見かけなかっただけで、本州でも多く栽培されていたんですね。
でも、石垣島では島野菜としての地位を獲得しているツルムラサキは、一年中販売されています。本州では6月から8月が旬になります。
紫色の茎の色は、つるの色かと思いがちですが、果汁の色なんです。ツルムラサキは、紫色の小粒の果実がつきます。この実は以前は染料に使用されていました。今でも食紅としてこの実を利用することもあるようです。
沖縄方言の「じゅびん」は「地紅」と書きます。茎が紫色の「赤茎種」だけではなく、緑色の「緑茎種」もあります。緑茎種が主流となってきているようですが、石垣島では「赤茎種」の方が多く見かけるような気がします。
2 ツルムラサキはどんな味?
見た目の似ているホウレン草と味も似ています。ホウレンソウのクセを強くした味とでもいうんでしょうか、青臭さがホウレン草より強く感じられます。甘味と苦味がしっかりしている感じです。
また、独特のヌメリがあります。沖縄の葉野菜にはヌメリのあるものが多いですよね。
3 ツルムラサキの栄養
夏野菜のヌメリは、夏バテ解消に効果大です。ヌメリはムチンという食物繊維の特性で、保
水力、粘膜保護力などがあり、疲労回復作用が期待できます。
実はツルムラサキはホウレンソ草よりも栄養価が高い野菜なんです。
抗発がん作用や免疫力アップで知られるβ-カロテンを豊富に含み、カルシウム・マグネシウム・カリウムといったミネラルも多く含んでいます。その上、ビタミンCも食物繊維も豊富です。
4 ツルムラサキの食べ方
アクは多くないので、生のまま食べることもできますが、熱を加えた方が美味しいと思います。
ツルムラサキにはアクの原因となるシュウ酸が若干含まれているので、気になる方は下茹でしてアク抜きしてください。アク抜きの際はサッと茹でてください。長く加熱すると大切な栄養素も抜けてしまいます。
シュウ酸は取り過ぎると尿路結石の原因となるので、一日一束ぐらいなら気にすることはないのですが、市場のツルムラサキを一人占めするのはやめてくださいね。
ツルムラサキ独特のヌメリを楽しむには、お浸しがピッタリ。茹でる際には、茎から先に入れ、葉より1分ほど長く茹でてください。梅やコチュジャンやマヨネーズなど味の強めのものと和えるとツルムラサキの癖と合います。
個人的には炒め物の葉野菜に使うのがおススメ。油との相性がいいので、普段より少し多めの油で炒めてみてください。
5 まとめ
たっぷりの太陽を浴びて育つツルムラサキ。深い緑色の葉っぱのものが栄養素たっぷりです。島に来たら、ぜひ島野菜を食してみてください。