八重山の祭り 種子取祭(竹富島)前編 庭の芸能

八重山の祭り 種子取祭(竹富島)前編 庭の芸能

こんにちは。setです。

夏から秋にかけては、祭りの季節♪♪♪

2020年はコロナ禍で、島の様々な祭りは中止になったり、神事を公中心に各字会役員だけで行ったりということが増えています。

豊年祭や結願祭が見られないと寂しく思っていらっしゃる方も多いかと思います。せめて昨年までの祭りを振り返ってみたいと思います。

竹富島の種子取祭

種子取祭(タナドゥイ)は、種を蒔き、無事に育つように祈願する行事です。新暦10月、11月中の甲申(きのえさる)から壬辰(みずのえたつ)までの9日間に行われる、竹富島で1番大きなお祭りです。約600年の歴史があると言われ、国の「重要無形民俗文化財」の指定を受けていますが、いつ頃始まったのかははっきりしていません。9日間のうち、7日目、8日目が奉納芸能の日で、世持御嶽で数々の舞踊や狂言が奉納されます。

庭の芸能

午前5時半頃から神司による祈願を行い、9時40分頃に公民館長や島の役職者、長老たちが世持御嶽に戻っていらっしゃいます。そこで迎えの行事を行い、庭の芸能が始まります。

棒術

まずは棒術。種子取祭を始めるにあたってのお祓い、お清めの意味があると言われています。一番棒から五番棒まであり、特に私は四番棒=鎌と薙刀が好きです。鎌のカチャカチャとなる金属音がたまりません。
四番棒 鎌と薙刀

太鼓

次は太鼓。島の中学生と先生が小太鼓を左手で持ち、右手のバチで叩く。1番後ろを歩く赤い着物の鉦鼓打ちが素敵で、いつも目が追ってしまいます。

マミドー

みんなに1番知られた踊りではないでしょうか?マ=真、ミドー=女性で、立派な働き者の女性を意味しています。鎌、鍬、ヘラ、3種の農具を手に、軽快に農作業を行う踊りです。

ジッチュ

昔々、人頭税と呼ばれる重税に苦しんでいた時代。竹富島内で10人の子どもを育て上げ、毎年の税金も完納した農夫が、表彰され、国王に会うというストーリー。最高の栄誉だと喜ぶ夫婦と10人の子どもたちは、貧しさのために片袖がなかったのでした。この踊りは片袖を抜いて踊られます。

マサカイ

こちらも人頭税時代。黒島のマーペーの話でもあるように、役人がいきなり道に線を引いて、こちら側はどこどこに移住しろと命令される、道分けという制度がありました。住み慣れた島を離れて、新しい土地を開墾する、そんな困難を自ら進んで選んだ「マサカイ」の開拓精神を称えた踊りです。

祝い種子取

在石垣竹富郷友会の婦人部が踊る、祝い種子取。「世乞いの道歌」「安里屋ユンタ」「クイチャー」の3曲編成で踊られます。

腕棒(うでぃぼう)

女性の格闘技です。以前は男性の演目でしたが、あまり面白くないということで、女性が演じることになりました。腕だけで闘いますが、豪快で動きが激しく、楽しいのです。振り飛ばされる女性もいるけれど、それでも次の瞬間には元の場所に戻ってくる、逞しさも感じます。

馬乗者(ンーマヌシャ)

お腹に馬の頭をつけて踊る姿に初めはびっくりしたけれど、踊りも激しくて、最後には息切れしそうになりながら退場していく様子に拍手も大きくなります。

10時半過ぎに庭の芸能は終わり、これから舞台の芸能へと続きます。

(後編はこちら)

石垣島・竹富町レコメンドカテゴリの最新記事