「ハーリーが終わると梅雨が明ける」とも言われる、石垣島の伝統行事ハーリー。石垣島や周辺の離島各地で行われるハーリーの中でも規模が大きい、石垣漁港の「石垣市爬龍船(はりゅうせん)競漕大会」の様子をご紹介します。
「石垣島の魂のレース「ハーリー(海神祭)」を観戦!【前編】」では、本ハーリーと呼ばれる伝統的な3つの競技について見てきました。後編では、それ以外にもある魅力的なレースをご紹介します!
団体ハーリーやマドンナハーリーでは一般参加も可能!

本ハーリーの3種目では、乗組員は地元の漁師や関係者に限られます。ですが、この大会では地元の中学校のチームや一般団体のチームも出場することができるのが特徴です。2025年は、中学生対抗ハーリーや団体ハーリー、女性だけで結成されたチームによるマドンナハーリーなど、全部で138チームが出場しました。とても多いと驚くかもしれませんが、実は応募したチーム数はもっと多く、毎年事前に抽選で出場チームが選ばれるほど人気なのです!いくら前回の優勝チームであっても、抽選に外れれば出場できず、涙を流すほど悔しい思いをするとのこと。いかに石垣市民がハーリーに全力投球か、お分かりいただけるでしょう。
いざ、レーススタート!
スタートの合図が鳴ると、選手たちは声を出し合い、タイミングを合わせて一斉にエーク(櫂)を海に差し込みます。「がんばれー!!」出発・到着地点の岸では、各チームの応援団がパーランクー(小太鼓)を打ち鳴らして大きな声と手拍子で応援を送り、選手も観客も一体となって盛り上がります。

勢いよく漕ぎだしたサバニは、水しぶきを光らせながら、ずいぶん小さく見えるほど沖合いまで進みます。ターン地点では息を合わせ、無駄のない旋廻!あっという間に近づいてきて、選手たちの闘志に燃える顔つきが見えたと思ったら、一番早いチームがゴールテープを切る!選手からも応援団からも大きな声で喜びの叫びが響き、観客も心を揺さぶられ、大きな迫力が巻き起こります。

島民の情熱を、これでもかと感じられる一大イベント「ハーリー」。観戦すれば、チームの一体感や選手の表情から伺える充実感に、来年は自分もハーリーに出場したいと思うほど、心に強く残る体験となるでしょう。
ハーリーの日時や開催場所
※開催日や会場は年によって変更となる場合があります。公式ホームページなどで情報をご確認ください。
【日時】
旧暦5月4日(カレンダー上の日程は毎年異なります。)
【開催場所】
■石垣市爬龍船競漕大会
会場:石垣漁港(石垣島)
■白保ハーリー
会場:白保船着き場(石垣島)
■船越屋海神祭(フナクヤハーリー)
会場:船越漁港(石垣島)
■白浜海神祭
会場:白浜新桟橋(西表島)
■細崎(くばざき)海神祭
会場:細崎漁港(小浜島)
■与那国町海神祭爬龍船競漕大会
会場:久部良漁港(与那国島)