こんにちは!ラッシーです。
石垣島のお盆についての後編です。
(※各家庭でいろいろなこだわりがあると思いますが、
今回はあくまでの私から見た観点です。ご了承ください。)
お盆の風物詩
沖縄本島(中部)の旧盆では太鼓を打ち鳴らして踊るエイサーが有名ですが、
ここ石垣島はなんと言ってもアンガマーです。
アンガマーというのはあの世からきたウシュマイ(お爺さん)とンミー(お婆さん)の老夫婦で、ファーマーという顔を隠した子孫たちを連れて家々を回ります。
新築した家や赤ちゃんが産まれた家がアンガマーを呼ぶことが多いそうです。
この日ばかりはそのお宅の庭に誰でも入ることができ、縁側は開け放たれているので中の様子を見ることができます。
アンガマーが「ウートートー」とお仏壇に手を合わせたりファーマーが踊ったりしながら、その間に見物客と珍問答を繰り広げます。この珍問答というのが感高い裏声でほぼ八重山方言で行われるため、異国の映画を見ているように何を言っているのか全然わかりません(笑)
島の人にとなりで通訳してもらうといいですね!
アンガマーが客から投げかけられた質問にユーモアを交えて返すというのが醍醐味で、
それを見ている人をどれだけ笑わせることができるかでセンスが問われるようです。
最後はその家の家族を巻き込んでのカチャーシーになります。
どこからかアンガマー行列の太鼓と三線の音が聞こえたら、
追いかけて見に行きたくなる、お盆にはなくてはならないものです。
ウークイはみんな総出で
とうとう3日目は「ウークイ(送りの日)」です。
再び夜に家族が集まって食事をし、夜9時を過ぎるとご先祖様を見送る準備をします。
まず初めに仏壇に飾ってあるものをすべて下ろし、ウチカビを用意します。
前編でも書いたウチカビというのは黄色い紙でできたお札のようなもので、あの世でご先祖様がお金に困らないようにと願いをかけてウチカビ専用の金容器で燃やします。これを燃やす時も「これで美味しいものを食べてくださいねー」などと声に出しながら燃やします。
ちなみにこの役目はその家の長男と決まっているそうです。
杖にするさとうきびといいウチカビといい、
すべてご先祖様のために用意し
あの世に無事に帰るために幸せを祈る。
なんて素敵な文化なのでしょう。
私は沖縄に住んで、こんなにもご先祖様を身近に感じること、
ご先祖様があって今の自分たちがいるということこれほど生活の中で感じられるのは、
本当に素晴らしい風習だと思います。
子供たちも小さい頃からそれを見て育つので、また受け継がれていくのでしょうね。
最後は門の外までお見送り
ウチカビが燃やし終わったら、さとうきびの杖や果物、お線香を持って全員で門の外まで行きます。
そこでまた人数分の線香を立て「どうぞ気をつけてお帰りください。今年もありがとうございました。」とみんなで手を合わせます。
この時の夜道には、目には見えないけれどそれぞれの家から出てきたご先祖様たちがにこにこ笑顔で歩いて行ってるんだろうなぁといつも思います。
果物などを置くのは、身寄りのない無縁仏の霊たちが迷わずあの世に帰れるようにという意味だそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
前後編に分けてざっと紹介しましたが、
とにかくこの3日間はお母さんたちは台所では働き通し、男性陣は来客の対応・挨拶回りと大忙しです。
年に一度、ご先祖様をもっとも近くで感じることができる旧盆はやはり島の人にとっていちばん大切な行事です。
最後までお読みいただきありがとうございました。